Artist Interview
杉野 くるみ Kurumi Sugino
2017-2021 多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻
2021- まばたき88(Stuffed toy brand)の活動開始
(個人サイトの方が一時停止中なので、再開次第ご連絡します。)
まばたきする瞬間、
そっと目に映るアイディアを、その手に。
まばたき88(Stuffed toy brand):
Kurumi Suginoによるぬいぐるみブランドです。
目を閉じ、そして開くまでの瞬間には遠くへ行ってしまいそうなアイデアをやわらかいものたちによって表現します。
幼い頃から、いつも、ぬいぐるみがそばにいた。
幼名馴染みの友人のように。あるいは、仲の良い家族のように。一緒にいると楽しいし、安心する。隣にいるのが当たり前。杉野にとってぬいぐるみは、そんな特別な存在だった。
どちらかというと、引っ込み思案だった少女。手芸好きの母の影響で、小学生の時に初めてぬいぐるみをつくった。鮮やかなピンクの、テディベア。「ちょっと太った、まぁるいものに惹かれるんです」。ぬいぐるみについて話すときの杉野は、楽しそうに笑う。
そんな杉野の創り出すぬいぐるみたちは、1人1人、独自のストーリーを持っている。銀河を飲み込む太陽、眠る前方後円墳、なぜかおなかに生まれた庭。開けるのを拒むドアや、草食系のライオン…ユニークな物語を生きるぬいぐるみたちは、詩やショートストーリーを得意とする杉野だからこそ生まれるのかもしれない。キュートな見た目とは裏腹に、どこか哲学的な示唆さえ感じるコンセプト。そんなギャップも、魅力的だ。
「まばたきする瞬間に遠くへ行ってしまいそうなアイデアを、やわらかいものたちによって表現する」そんなブランドコンセプト通りに、ときにかわいく、ときに愉快に、ときにポエティックに語りかる、ぬいぐるたち。杉野の自由なアイディアが詰めった彼らがそばにいると、毎日が少しカラフルになりそうだ。
Why art - アーティストを志したきっかけ-
ー杉野:「ALESSI」というイタリアのプロダクトブランドが好きで。ワインオープナーやカトラリーなど、日常的に使うプロダクトなんですけど、とても遊び心のあるデザインなんです。毎日がちょっと楽しい、豊かになる。そんなものをつくりたいなと思って、大学ではプロダクトデザインを学びました。その中で、自分は「使いやすい」とか「無駄がない」というマイナスにしていくデザインではなく「より新しいコンセプトで何かをプラスしていく」ものづくりがしたい、と改めて気づきました。実はデザイン事務所で働いた経験もあるのですが、幼い頃から好きな「手で何かを生み出す」というのを、どうしてもやり続けたい自分がいた。そこで、自分の好きなものをより自由なストーリーにのせて表現する、現在のスタイルにたどり着きました。
Why Visions Palette - ビジョンズパレットの魅力 -
ー杉野:子供はとても自由です。それは、何も知らないからだと思います。知らないから、遠くまで行くことができるんだと感じています。パレットにいて、そこそうするんだ?!という体験を何度もしました。パレットは知らないうちに枠にはまろうとしている自分に気づくことができる場所です。子供たちと一緒に考え、作ることによって、何にも影響されないフラットな自分と対峙することができます。
Message -作家からのメッセージ -
「ちょっと部屋にいると楽しいな」「一緒にいると毎日が豊かになるな」。そんな存在になれたらと思い、作品をつくっています。どうぞ、お家に家族のような気持ちで迎えていただけたら嬉しいです。